昨年5月21日の制度スタートから10か月。これまで被告側が判決を不服として控訴を申し立てたのは、全体の約3割にとどまり、控訴審で裁判員裁判の判決が見直されたケースは1件もない。
読売新聞のまとめによると、今月19日までに裁判員裁判の判決を言い渡された417人の被告のうち、控訴したのは29・7%にあたる124人。裁判官のみの裁判だった2008年は、殺人など裁判員裁判の対象事件で被告が控訴した比率は34・6%で、被告の控訴は約5ポイント減ったことになる。裁判員裁判での検察側の控訴はまだない。
また、控訴審判決を受けた10人は全員が控訴を棄却されており、裁判員の判断を尊重する高裁の姿勢がうかがえる。
1審判決(懲役5年6月)は重すぎるなどと被告側が主張した強盗傷害事件の控訴審で、大阪高裁は今月16日、「裁判員裁判では国民の視点、感覚が反映され、従来の裁判官のみの相場を超える量刑も想定される」と述べ、控訴を棄却した。東北地方の性犯罪事件の控訴審で、被告の弁護人を務めた弁護士は「裁判員の判断が尊重されるのは結構だが、刑が不当に重いという我々の主張は認められにくくなるのでは」と話す。
一方、いったんは控訴を申し立てたが、自ら取り下げた被告も17人いた。名古屋市のホテルで女性を殺害し、懲役17年の実刑判決を受けた男(24)は約2か月後に控訴を取り下げた。弁護人によると、男は「判決を何度も思い返し、犯した罪の重みを実感した」と理由を語ったといい、弁護人は「市民の判断を重く受け止めていたようだった」と男の様子を振り返った。
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